菅直人新総理大臣が誕生しました。
後半の鳩山前首相は、TVで見ているだけでも余裕がなくなっており、 可哀そうに思う程でした。何故そんなことになったのか?
「権力の二重構造」と「国民主権」の点から考えてみました。
「小沢(私は別に嫌いではありません)」という「裏の権力」と「国民」という 「真の権力」に挟まれて苦労する「中間管理職」のような「総理大臣」が鳩山前首相だったように思われます。 しかも「アメリカ」という「外の権力」も無視できません。
少し前、理社ゼミで「日本で一番偉い人は誰だと思う?」と生徒達に 聞いてみたことがあります。生徒の「総理大臣!」という答えを予想して 「いや、実は国民なんだよ。日本国憲法にちゃんと書いてある。」と憲法の 話に持って行こうとしていました。ところが生徒から返ってきたきた答えは 「小沢さん!!」というものでした。「日本では幹事長が一番偉いんだよね、先生!」「・・・確かに。」と たじろぎながらも納得してしまった私は、「摂関政治」に話を持って行きました。
「平安時代、藤原氏は、たくみに他の貴族を退けながら、娘を天皇の妃にし、 その子を次の天皇に立てて、勢力をのばしました。天皇が幼い時は摂政、 成長すると関白という職について、政治の実権をにぎるようにようになりました。 このような政治を摂関政治といいます。」と中学の教科書に書いてあります。天皇がいるのに、藤原氏の方が権力があるという「権力の二重構造」がここにはあります。
次の鎌倉時代でも同じです。源氏将軍は三代で滅び、摂家将軍・親王将軍と「鎌倉幕府の 征夷大将軍」は続くのですが、実権は北条氏が「執権」として握ります。しかし、その執権よりも権力があったのは、「北条氏の長者」つまり「得宗」だったのですから、 日本の権力構造は「天皇→摂関→将軍→執権→得宗」と五重になっています。
このあたりテストに出るのでちゃんと覚えておくように・・・・
このように日本の権力構造は面白いですね。
ペリーが日本に来た時、「誰と話をすれば良いのか迷った 。」 という話も頷けます。
藤原氏や北条氏に付いては、私の好きな分野なので、 いつか詳しく書いてみたいと持っています。
結局何が言いたいかというと、菅新首相には 「国民→総理大臣→民主党→官僚→アメリカ」という図式、つまり アメリカに一番権力があるという状況を避けてもらいたいということです。
何といっても、日本の主権者は国民なのですから。