塾で教える日本の歴史 ① 宇宙の誕生
歴史といっても、宇宙の歴史・地球の歴史・生物の歴史・人類の歴史と色々なスケールの歴史があります。
ここではこれらのうち主に我々が住む「日本の歴史」を扱います。
日本という国はどのようにして成り立ち、どのようにして発展してきたのかを見ていくわけです。
日本以外の他の国の歴史は、日本と関係が深い時代を一部紹介しますが、
その他のいわゆる「世界史」は高校で「世界史」として独立した科目がありますので、楽しみにしておきましょう。
考えてみたら宇宙の誕生からこの平成の時代まで、ずっと歴史は続いているわけで、決して断絶しているわけではありません。
ですから歴史の勉強をしていく中で先ず宇宙の誕生から始めるのは自然な流れです。
宇宙は、今からおよそ138億年前に誕生したと考えられています。
誕生以前のことを想像することは困難ですが、「無」であったということです。
つまり「無」から「有」が生まれたわけですが、その「無」は「真空エネルギー」に満ちていました。
真空エネルギーは、ゆらいでおり、無と有の境目はあいまいだと考えられています。
138億年前、ゆらぎの中、無から宇宙が生まれました。
始めはほんの小さな宇宙でしたが「インフレーション」と呼ばれる急膨張により瞬時に大きくなり、
1円玉位の大きさになった時「真空エネルギー」が「熱エネルギー」に変わり
「ビッグ・バン」と呼ばれる大爆発を起こします。
ここまでで、宇宙誕生から10の-44乗秒後から10の−36乗秒後の話であって、
ビッグ・バン時点での宇宙は1兆度以上の火の玉状態であったと考えられています。
この10の-44秒というのは高校数学で習うので、今はとても短い時間だとだけ覚えておきましょう。
知りたい人には後でじっくり教えます。
誕生よりおよそ38万年後、光子が長距離を動くことができるようになります。
これを「宇宙の晴れ上がり」と呼びます。
その後も宇宙は膨張を続け、温度も下がり、最初の「銀河」が誕生します。
宇宙の誕生から、宇宙の晴れ上がりまでについては、異論も多く、現在も研究が続けられています。
この時代は物理学者の領域で、相対性理論や量子論がその中心となるものです。
アインシュタイン、ガモフ、ホーキンスらによる宇宙誕生理論のほか、
1960年代以降宇宙はひもからできているという「ひも理論」も有力な宇宙誕生理論となっています。
矢頭嘉樹