塾で教える日本の歴史 ④ 日本の誕生(縄文時代)
これからやっと日本史です。
ですが日本史の最初の方は、中国との関係が重要です。
先ず中国史をまとめておいて、日本と中国との関係を見ていきましょう。
中国は日本と違い、王朝自体が変わるので国名が変わっていきます。
日本は当初「倭」と呼ばれていましたが、これは中国が呼んだ国名です。
「邪馬台国」も中国の資料「魏志倭人伝」にあるから、そう呼ばれているわけですね。
4大文明のところで「黄河文明」がありましたが、このときは「殷」という国名です。
国名というより「王朝」といった方がよいでしょう。
殷・周・春秋戦国・秦・漢・三国・南北朝・隋・唐・宋・元・明・清・中華民国・中華人民共和国です。
中学生は隋から覚えれば充分です。
ズイ・トウ・ソウ・ゲン・ミン・シンと声に出して覚えていきましょう。
殷が周に滅ぼされ、周の力が弱くなると戦乱の時代に入ります(春秋戦国時代)
このころ、孔子は「人間の行いや政治は思いやり(仁)と正しい行ない(礼)が大切である」と考え、儒教のもとを作りました。
孔子の考えは弟子たちによって「論語」にまとめられています。
論語に「温故知新」という言葉がありますが、歴史を学ぶ意味が凝縮されているような言葉ですね。
現在の日本でも「論語」は広く読まれていますので、一度目を通しておきましょう。
紀元前3世紀に「秦」の「始皇帝」が初めて中国全土を統一し「皇帝」を名のります。
初めての皇帝なので「始皇帝」ですね。皇帝は王より上位であるとされます。
始皇帝は北方民族の侵入を防ぐため「万里の長城」を築きます。
この万里の長城は、宇宙からも見える唯一の人工建造物だといいます。
始皇帝の墓のそばには約7000体の「兵馬俑」とよばれる焼き物の人形が置かれ威容を示しています。
始皇帝の厳しい政治に対し反乱がおこり、秦はわずか15年で滅びます。
かわって中国を統一したのは「劉邦」率いる「漢」の国です。
秦の滅亡から漢の成立までは、司馬遼太郎著の「項羽と劉邦」に詳しいので読んでみましょう。
中学生にはちょっと早いかもしれないので、少年少女向けの物語も面白いですよ。
「四面楚歌」という故事成語は知っているでしょうか。
漢は400年以上続き「シルクロード(絹の道)」を通じて絹織物などが西方にもたらされ、
西方からは「馬・ぶどう」インドからは「仏教」が伝わりました。
日本の誕生
中国は王朝名ですが、日本は王朝名ではなく、時代区分で覚えていきます。
縄文・弥生・古墳・飛鳥・奈良・平安・鎌倉・室町・安土桃山・江戸・明治・大正・昭和・平成と続きます。
奈良時代以降を「NHKMAE」と覚えましょう。
N(奈良)H(平安)K(鎌倉)M(室町)A(安土桃山)E(江戸)ですね。
旧石器時代
数万年前まで日本列島はユーラシア大陸と地続きでした。
なので日本でもナウマンゾウやマンモス・オオツノジカなどの化石が発見されています。
旧石器時代の遺跡は「岩宿遺跡」群馬県です。発見者は相沢忠洋。
縄文時代
今から1万年くらい前に氷河期が終わり、氷がとけて海面が上昇し日本列島ができたと考えられています。
このころ日本列島に住む人々は土器を作り始めました。
表面に縄目の模様があるので「縄文土器」と呼びます。
1万年前から紀元前4世紀に稲作が伝わるまでを縄文土器の名前から「縄文時代」といいます。
縄文時代は「磨製石器」を使い始めましたので、「新石器時代」でもあります。
縄文土器・たて穴住居が縄文時代の特徴で、人々は「魚・貝・くり・どんぐり・鳥・いのしし・鹿などを食べていました。
そのゴミ捨て場は「貝塚」と呼ばれます。
アメリカ人モースによって発見された「大森貝塚」が有名ですね。
その他縄文時代の特徴としては、「土偶」があります。
「遮光器土偶」は宇宙人だというのは、トンデモ学説なので、教科書にはないですよ(笑)
縄文時代の遺跡としては青森県の「三内丸山遺跡」が有名です。
縄文時代に食べられていたクッキーのレシピです。
美味しそう。
http://www2.nhk.or.jp/school/movie/clip.cgi?das_id=D0005310760_00000
矢頭嘉樹