サウンドオブサイレンスの冒頭
「Hello Darkness, My Old Friend」 という歌詞は
フランソワーズ・サガンの「悲しみよ こんにちは」の原題
「Hello Sadness 」に由来するという説があります。
「悲しみよ こんにちは」は「アンニュイ」という言葉がぴったりですが、
この「サウンドオブサイレンス」は「孤独」とか「疎外」がテーマだといわれています。
ポール・サイモンの孤独感は、現代人なら誰でも感じるものでしょう。
サウンドオブサイレンス
The Sound Of Silence by Simon&Garfunkel
ハロー 暗闇よ 僕の古い友だち
また話をしたくて やってきたよ
幻が忍び寄り
寝てる間に種を残していった
脳に植え付けられたその幻は
まだ残っている
沈黙の音の中で
長い夢の中で
僕は一人歩いていた
石畳の狭い道
街灯の丸い光の中
寒さに襟を立てて
突然ネオンの光が
僕の目を刺し
夜を引き裂いた
その時
沈黙の音に触れたのだ
安アパートの裸電球の下で
僕は無数の人々を見ていた
意味のない会話
語ることもなく 話し
聴くこともなく 聞いている
歌われることもない歌を書いている
ーーーそんな人々を見ていた
沈黙の音は
誰にも邪魔されず
まだ残っている
「馬鹿だな 知らないのか
癌が増殖するように
沈黙の音がはびこる
僕の言葉を聴いてくれ
僕の差し伸べる腕を つかんでくれ」
でも僕の言葉は
雨粒のように落ちて
井戸の底で
音もなく こだまする
人々は 祈る
都市が作ったネオンの神に
ネオンサインは
警告の光りを発する
「予言者の言葉は
地下鉄の壁と
安アパートの廊下に
書かれている」
沈黙の音の中で
そう囁いた