色々な「偏差値」がある中で、どう活用していけば良いのか、そもそも偏差値って何?と混乱していらしゃる保護者も多いと思います。偏差値とは、要するに、平均点を「偏差値50」として、25〜75の範囲内に99%が入るという事です。
その偏差値ですが、中学受験・高校受験・大学受験では持つ意味合いが違います。そもそも母集団が違う偏差値を比べても意味はないので、例えば、星野中学と星野高校の 偏差値は比べようがありません。
中学受験の偏差値は、「首都圏模試」「四谷大塚」「日能研」という3大模試がありますが、11月以降の偏差値でないとあまり参考にはなりません。何故ならスタート時期が違うからです。
小学での学習範囲を大きく越える出題内容に対し、4年生から受験勉強をスタートさせた生徒と 6年生からスタートさせた生徒では、学習進度が違うのは当たり前です。
首都圏模試7月の「小6統一合判」での算数の出題範囲は、「比、相似、立体図形、規則性、場合の数、速さ」となっています。小学校でやっと「速さ」に入った頃に、「相似や場合の数」までは進まない生徒も出てきます。
問題は来年の1月時点でどの位点が取れるかなのですから、今の時点での偏差値は「到達地点」をどこに置くかの目安にはなっても、「学力の目安」にはなりません。
偏差値が良いからといって、合格の保証はありません。夏休みに取り返すことは充分できるのです。
その点、高校受験の偏差値は大きな意味があります。
私立高校では、北辰偏差値に重きを置きます。ほぼそれで合否が決まると言って良いでしょう。
北辰テストでは、「中学でのその時点までの学習範囲」しか出題しません。 皆が平等です。しかも、埼玉県のほとんど中学生が受検するので、 今の時点での「全県レベル」での位置がはっきりします。
従って、私立高校だけでなく 公立高校に向けての学習進度を測る大きな目安となります。
大学受験の偏差値は、国立大学受験者には参考になりますが、私立大学では目安程度の感覚でいた方が良いでしょう。何故なら高校は、各高校によって進度と学習内容が大きく違うからです。中高一貫校では、高2の内に高校での学習範囲をすべて終えるので、模擬試験には当然有利に働きます。模擬試験でE判定でも合格するというのは、よくあることです。
偏差値が悪いからといって諦めずに、過去問を研究して合格を勝ち取りましょう。